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2014年度地方財政対策の論点 (東京国分寺Lホール、2014年2月5日)
                       奈良女子大学名誉教授  澤井 勝

1、 来年度の地方財政の規模(通報収支ベース)
・通常収支分は総額83兆3700億円 これは前年度81兆9154億円の1.0%増となっている。
 これに「東日本大震災分」が加わる。復旧・復興事業費が1兆9600億円(2兆3347億円)。これに全国防災事業費2500億円(2031億円)。
・ちなみに国の一般会計の規模は95兆8823億円で前年度の92兆6115億円の3.5%増となっている。国(一般会計)が地方(通常収支分)より10兆2千億円強大きい。
・地方財政の規模は、このところ横ばい。
  2014(26)  837300
  2013(25)  819154
  2012(24)  818647
  2011(23)  825054
  2010(22)  821268
  2009(21)  825557
  2008(20)  834014
  2007(19)  831261
  2006(18)  831508
  2005(17)  837689
2、今年4月からの消費税の8%への引き上げ また15年10月からの10%への引き上げを見通して
・地方消費税の増額(5%のうち1%から8%のうち1.7%に、15年10月から10%のうち2.2%に)
  引き上げ後の地方消費税収入の使途の明確化、社会保障4経費(年金、医療及び介護の社会保障給付費、少子化に対処する経費、その他の社会福祉、社会保険、保健衛生に関する経費
・地方交付税への算入率(13年度29.5%、14年度22.3%)
・自動車税の改正(10%段階で自動車取得税(道府県税)を廃止する。その代替財源はこれから議論する。総務省、財務省、国土交通省、環境省の関係課長会議が1月に設けられた。

3、14年度の国税および地方税の収入見込み(別紙)

4、 交付税の原資化を拡大
 14年度は(1)法人住民税法人税割のうち5800億円を国税化(「地方法人税」)し、地方交付税特別会計に直入し、地方交付税として再配分する。この交付税率は100%。これは10%段階でさらに拡大する。
 これに伴い、現行の税率は都道府県民税法人税割が5.0%から3.2%に、市町村民税法人税割が12.3%から9.7%に引き下げられる。「地方法人税」の税率は4.4%。
(2) 法人事業税の一部の1兆8000億円を国税化(地方法人特別税)しているが、これを1兆2000億円に縮小して、6000億円を法人事業税に復元する。この地方法人特別税は道府県に地方法人特別税譲与税として再配分される。

5、 地方財源不足は10兆5938億円で前年度の13兆2808億円から縮小。

○折半対象以外の補てん措置          5兆3061億円
@ 財源対策債の発行                7800億円
A 地方交付税の増額による補てん        1兆5748億円
   ・一般会計における加算措置(法定加算)    8648億円
   ・別途の加算                 6100億円
   ・特会剰余金の活用              1000億円
B 臨時財政対策債の発行            2兆9513億円

○折半対象財源不足               5兆2877億円
@臨時財政対策特例加算(国の一般会計から)   2兆6436億円              
  A臨時財政対策債の発行(各自治体が発行)    2兆6438億円

6、地方交付税の確保 地方交付税  16兆8855億円(対前年度▲1769億円、1.0%)
 @地方交付税の法定率分             12兆6669億円
 ・国税5税分                  12兆2191億円
 ・地方法人税の法定率                   3億円
 ・国税決算清算分                   ▲3145億円
 ・交付税特快借入金支払利子              ▲2000億円
 ・平成25年度からの繰越金              1兆1349億円
A一般会計における加算措置              4兆2186億円
 ・既往法定分、剰余金活用                 9648億円
・別枠の加算                      6100億円
 ・臨時財政対策特例加算                2兆6438億円



7、歳出特別枠・交付税の別枠加算の確保
○地域経済基盤強化・雇用対策費           1兆1950億円
○別枠の加算                      6100億円
 歳出特別枠については、地域の元気創造事業への振り替え分(3000億円)を含めて実質的に前年度水準を確保
 交付税の別枠加算については、地方税収の状況を踏まえて、縮小することで全廃を主張する財務省を一部押し返した。

8、公共施設等の総合的かつ計画的な管理による老朽化対策等の推進
 ○ 総合的かつ計画的な管理計画策定の費用  特別交付税措置
 ○ 計画に基づく公共施設等の除却について、地方債の特例措置 300億円 地方債計画に単独事業の内数として計上する。

9、一般財源総額は60兆3577億円で前年度比 +6050億円 1.0%増
・地方税      35兆127億円
・地方譲与税     2兆7564億円
・地方交付税    16兆8855億円
・地方特例交付金     1192億円
・臨時財政特例債   5兆5952億円

10、自動車関係諸税の改正
@ 都道府県の自動車取得税の2014年減税、2015年には廃止
2014年4月から自動車取得税の税率は5%から3%に引き下げる。これの減収額は952億円と見込まれる。その代替財源は未定。都道府県への納税額お100分の95のうち10分の7が市町村への交付金となるが、それも減収となる。そのため、市町村の軽自動車税の税率を引き上げる。
 15年度以降に新規取得される4輪車等の新車の税率を自家用乗用車は1.5倍、その他は1.2倍に引き上げる。4輪の自家用自動車は7200円から10800円に。
 二輪車等の税率を、15年度分から現行の1.5倍(最低2000円)に引き上げる。原付が1000円から2000に。

11、固定資産税の償却資産課税の見直しが検討課題として浮上。
12、法人実効税率の引き下げを検討する。
13、合併に伴う市町村の変化に対応する措置を行う。
  ・支所に要する経費  ・標準団体の面積要件の拡大  ・人口密度に需要の割り増し
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