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2004年度地方財政対策について その概要と課題

2004年1月9日 澤井 勝

1、はじめに

(1)三位一体改革の初年度に向けて
平成16年度から18年度の3年間で4兆円の国庫補助金廃止・削減
「経済財政諮問会議」の三つのアクター

(2)全国知事会,全国市長会などの補助金廃止論

(3)地方財政計画の規模縮小

(4)いわゆる「モラルハザード」論と「地方分権の趣旨」
あらためて地方分権と地方自治の強化の原点が問われる

(5)経済は回復基調にある。その特質。

・企業収益の改善はリストラによるコスト圧縮

・雇用なき景気回復

・輸出(中国・アジア、米、EU)

・設備投資の回復と素材産業

(6)中期的・長期的デフレ基調はかわらず

・一般物価下落

・資産デフレと地価の下落

・賃金デフレ

(7)年金改革との連動、社会保障財源との関係

(8)基幹税の地方移譲と社会保障財源

(9)市町村合併の進行と新しい自治制度、国家構造の展望

第27次地方制度調査会答申と新基礎自治体、地域自治組織、そして道州制

(10)日本の人口は2005年の1億2745万人がピークで、予想より5年ほど早く人口減少社会に。人口問題研究所の03年末発表推計。

2、04年度地方財政対策と地方財政の姿(03年末の数字で)

(1)地方財政計画規模の縮小  84兆6700億円程度(対前年比△1.8%程度)

(2)地方一般歳出の縮減    68兆1000億円程度(△2.3%程度)
経常経費の地方単独事業も0.3%減。補助事業が地方単独の経常的事業に移るのも6000億円程度ある。税源移譲の対象。

(3)地方単独事業(建設)   13兆4700億円程度(△9.5%程度)

(4)地方債依存度       16.7%程度(前年度17.5%)

(5)地方交付税の減      出口ベースは16兆8900億円程度(△6.5%程度)

  これで4年連続の減、00年度のピーク時から4兆5000億円程度、21%ほど縮小した。

3、04年度国の一般会計予算案

(1)財政規模は0.4%増の、82兆1109億円。

(2)税収入は41兆7470億円と0.1%増の見込み。

(3)新規国債発行額は36兆5900億円で、そのうち赤字国債は30兆900億円。

(4)国債費は17兆5685億円で4.6%の増加。

(5)一般歳出は0.1%増加、よこばい。

(6)公共事業費は3.3%減。

(7)地方向けの国庫補助金を1兆300億円削減したが、社会保障関係費が伸びて総額20兆4100億円と今年度より400億円増える結果に。

(8)国と地方を合わせた、04年度末の政府債務は719兆円に。地方は204兆円(前年度199兆円)程度。

4、2004年度地方財政対策

(1)財源不足は14.1兆円(03年度は17.4兆円) 地方財政計画縮減のために、財源不足も縮小した。

(2)通常収支不足10.2兆円(03年13.4兆円)の補填 96年度以降多額の財源不足が生じて9年連続地方交付税法第6条の3第2項の規定に該当することになった。
 01年度から3年間の措置として、赤字地方債と国一般会計負担とで半分づつ補填する方法を、04年度から06年度まで延長する。

@ 地方交付税の増額

1、一般会計からの法定加算  2900億円

2、臨時財政対策加算    3兆8900億円

A 臨時財政対策債(赤字地方債)の発行       4兆1900億円

B 財源対策債の発行                1兆8000億円程度

(3)恒久的減税にともなう減収影響補填 3.3兆円程度

@ 地方税の減収分1兆8000億円程度
 国たばこ税の一部移転、法人税の交付税率を35.8%に、第1種特例交付金の交付、減税補填債で補填

A 地方交付税への影響
 1兆5300億円程度 交付税特別会計での借入金で補填し、国と地方が折半で償還する。

(4)03年度先行減税による減収額 6000億円程度

@ 地方税の減収   3500億円程度は減税補填債による。

A 地方交付税の減  3000億円程度は交付税特会の借入金で補填し、後年度の地方交付税原資の増収によって返済する、とした。

5、国庫補助負担金の改革と税源移譲

(1)03年度と04年度の国庫負担金改革に伴い、それに必要な一般財6900億円のうち、「税源移譲予定交付金(仮称)」を除く4200億円は所得譲与税として税源移譲を行う。単純人口割で、府県と市町村は1:1。

04年度分が2400億円程度。

うち公立保育所運営費分1700億円。

うち職員設置費、介護保険など法施行事務費700億円程度。

03年度一般財源化分、2300億円。

(2)義務教育費国庫負担金のうち、退職手当と児童手当に必要な一般財源については、今後その額が増大することを考えて、税源移譲までの各年度の退職手当支給に必要な額を確保して積み立てるため「税源移譲予定交付金」、2300億円により交付する。人口をベースに他の要因を入れ込む方式。2300億円程度。

6、04年度地方財政対策の問題点と課題

(1)交付税改革の方向 モラルハザード論を超えて

交付税の原理と地方自治の強化の意義。

(2)税源移譲のデザイン

所得税の比例税率化と税源の不均衡是正をどこまで、どのように行うか。

(3)歳出抑制と構造改革

福祉と環境、雇用とまちづくりへの特化。

(4)補助金の基本的廃止に向けて

政策評価と政策の優先度。

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