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地方債

 地方債とは、特定の歳出に充てるため地方自治体が年度を越えて元利を償還する借入金を言う。したがって、借り入れた年度の歳入で返済する一時借入金は地方債にはふくまれない。又、年度を越えた自治体の債務として地方債と同じ意義を持つものに債務負担行為がある。地方債を起こすことを起債という。
 起債権限を持つのは自治法第二三〇条によって都道府県、市町村などの普通地方公共団体であるが、東京都の二三特別区、一部事務組合、広域連合、地方開発事業団もそれぞれ準用規定(二九二条など)によって地方債を起こすことが出来る。しかし財産区は準用規定がなく起債はできない。
 地方自治体は、予算の定めるところにより、地方債を起こすことが出来る(地方自治法第二三〇条)。この規定では、起債は原則自由なのである。
 地方債を起こすことが出来る事業は、地方財政法第5条によって、次の五つの場合に制限され、経常経費等の財源としては認められていない。非募債主義の原則とも言う。

一、交通事業などの公営企業に要する経費、 二、出資金、貸付金の財源とする場合、 三、借換債、 四、災害復旧事業費に充てる場合、 五、地方税の徴収率が一定以上の自治体は公共施設の建設事業の財源とすることが出来る。
 つまり建設地方債が原則なのである。ただし、この原則には、地方税減収補填債、減税補填債、退職手当債などの経常経費に充当する例外がある。また交付税財源の不足を補填するための財源対策債、調整債などや、国庫負担金の代わりとして発行される臨時財政特例債、特定資金公共事業債(NTT株売却益の利用)などもあった。
 起債目的、限度額、起債方法(証券発行か証書か)、利率、償還方法などは予算で定める。
 地方債の元利償還金について、地方交付税の基準財政需要額に算入される場合が増加している。過疎対策事業債や辺地債では元利償還金の八〇%、ふるさとづくり事業や臨時地方道整備事業など単独事業を対象とする地域総合整備事業債では、元利償還金の三〇%から五五%が財政力に応じて後年度に需要額に算入された。特にこの地総債は強力で国の補助事業を奪うのではないかと事業官庁から警戒されたこともある。また、義務教育施設、清掃、港湾、地域改善対策などでも二〇%から五〇%が算入されている。交付税の補助金化現象のひとつであって、建設事業を促進する役割は大きく、建設業依存の地域経済を形成するという副作用を伴なったといえる。

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