TOPPAGE財政用語小辞典>減税補填債・減収補填債

減税補填債・減収補填債

 一般には地方税の減税による減収を補填するために発行が認められている地方債である。ただし、制度的な減税であれば、地方交付税率の引き上げか他の恒久的な財源で補填すべきもので、減税補填債のような後に負担を残すような補填策は例外的なものでなければならない。最近ではバブル経済の崩壊に伴なう長期不況対策として、一九九四(平成六)年から所得税と住民税の減税を実施しているが、この減税のうち制度的減税ではない、個人住民税の特別減税の減収を補填するために、地方財政法第五条の例外として発行する減税補填債がある。償還年限は十年。その元利償還金は地方交付税の基準財政需要額に公債費として単位費用で参入される.なお減税によって標準財政規模が落ち込んだ結果、公債費比率や経常収支比率が表面上、著しく上昇した団体も多い。この間の財政指標はこういった事情も勘案して観測する必要もある。
 また似たものに減収補填債がある。地方税収、特に法人事業税や法人住民税などの法人関係税の収入見込みが、予想せざる経済の落ち込みによって財源不足に陥ったときに発行できる地方債である。減収補填債の発行をしなければ、地方交付税の基準財政収入額の減額という形で翌年度に清算されるが、事業を促進すべきときには、いわば前倒しして減収補填債で手当することもできるのである。後年度に元利償還金の府県で八〇%、市町村で七五%が交付税措置されることなっている。

Copyright© 2001-2005 Masaru Sawai All Rights Reserved..