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外形標準課税

 所得以外の売り上げ金額や資本金額など外形的な基準で課税する方式である。従来の法人事業税では、電気供給業、ガス供給業、生命保険事業、損害保険業では各事業年度の収入金額が課税標準とされている(地方税法第七二条の一二)。また実際には適用されていなかったがその他の事業にあっても資本金額、売上金額、家屋の床面積又は金額、土地の地積又は価格、従業員数などを課税標準とすることが認められている(地法税法第七二条の一九)。この規定を活用して二〇〇二(平成一四)年度に銀行業を対象として外形標準課税を導入したのが、東京都の銀行税である。銀行側の提訴による裁判は、東京地裁判決は都側に厳しいものであったが、二〇〇三一月の東京高裁判決は都の自主課税権を認めたが、課税の均衡要件に反するとして、同条例を無効としたものである。その後最高裁での係争中に和解が成立している。
 二〇〇三(平成一五)年の地方税制改正で、法人事業税に外形標準課税が導入されることが決まり、二〇〇四(平成一六)年度から施行されている。対象法人は資本金一億円超の法人で、従来の所得に関わるものが四分の三、外形標準に関わるもが四分の一。外形標準としては付加価値額(報酬給与、純支払利子、純支払い賃貸料と事業損益の合算)とされている。
 事業者はその事業活動に伴い、自治体から道路、港湾、清掃など行政サービスを受けるととともに交通混雑などの社会的費用を発生させている。このような受益と社会的コストは所得の有無に関わらず、事業活動によって発生するものであるから、その事業活動の規模に応じてそれに相応した税負担を求めるべきだという考え方によっている。現在の法人事業税は法人所得を課税標準としているため、企業活動が活発であっても赤字法人や低利益の法人には課税できないかきわめて低額の課税しかできず不安定な税目だという観点から改正が実現した。
 現行消費税などの消費課税も所得にではなく消費に課税するという意味では一種の外形標準課税である。そのため、一九八八(昭和六三)年の消費税の導入時にはこの一般的な消費税の導入にともない、事業税の外形標準課税による間接税化の論議も行われたが、制度の簡素化の要請、納税義務者の事務負担などから見送られた経緯がある。

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